金属の板は、どの順番にあたたまる?
金属は、あたためたところから近い順に、じゅんじゅんに熱が伝わってあたたまります。上や下などの向きには関係しません。切れこみがあると、熱は切れこみをまわりこんで進むので、まっすぐのきょりは近くても、あたたまるのはおそくなります。
どれくらい速く伝わるかは、金属の種類で大きくちがいます。1mmの厚さで10cm角の板の角をお湯(80℃)であたためたとき、あたためたところから5cmはなれたところが40℃になるまでの時間の目安は次のとおりです(シミュレーターの計算)。
| 金属 | 熱の伝わりやすさ | 5cmのところが40℃になるまで |
|---|---|---|
| 銅 | 鉄の約5倍 | 約23秒 |
| アルミニウム | 鉄の約4倍 | 約29秒 |
| 鉄 | 1 | 約3分30秒 |
| ステンレス | 鉄の約6分の1 | 40℃にならない(約27℃まで) |
熱が伝わるとちゅうでも、板の表と裏から空気に熱がにげていきます。そのため、熱を伝えにくいステンレスや鉄の板では、はなれたところは何分たっても40℃にならないことがあります。
どうして、じゅんじゅんに伝わるの?
金属は、とても小さなつぶがぎっしりならんでできています。あたためられたところのつぶが細かくはげしくゆれると、となりのつぶにそのゆれが伝わり、さらにそのとなりへ…と、熱がバトンのように受けわたされていきます。だから、あたためたところから近い順にあたたまります。
おうちの方向けに言うと、このような熱の伝わり方を「伝導」といい、伝わる速さは熱拡散率(熱伝導率÷(密度×比熱))で決まります。銅は約1.2×10⁻⁴m²/s、鉄は約2.3×10⁻⁵m²/sで、約5倍ちがいます。金属の中では自由電子も熱を運ぶので、電気をよく通す金属ほど熱もよく伝えます。水や空気は、あたためられた部分が軽くなって上に動き(対流)、上のほうから全体があたたまるので、金属とはあたたまり方がちがいます。小学4年生の「もののあたたまり方」で、金属・水・空気のあたたまり方をくらべて学びます。
おうちでの実験のやり方
金属のスプーンとバター
- 金属のスプーンの柄に、バターを小さく点々とつける(つけたところに、あたためる側から順に番号を書いた紙をそえるとわかりやすい)。
- おうちの人に、コップに熱いお湯(70〜80℃くらい)を用意してもらう。
- スプーンのすくう部分をお湯につけて、バターがとける順番と時間を記録する。
- ステンレス・銀色の金属・木やプラスチックのスプーンでくらべる。
金属の板と示温シール
- 銅やアルミニウムの板(理科の教材や工作用の板)に、示温シール(決まった温度で色がかわるシール)をはる。
- 板の角を、おうちの人に用意してもらったお湯に少しだけつける。
- シールの色がかわる順番を記録し、このシミュレーターの予想とくらべる。
お湯はやけどしない温度にして、おとなが用意してください。金属は熱をよく伝えるので、お湯につけていない側もすぐ熱くなります。さわるときは、ミトンや軍手を使いましょう。学校では、実験用のガスコンロやアルコールランプで板をあたためることがありますが、火を使う実験は、家ではしないでください。板のふちで手を切らないように、ふちにテープをはっておくと安心です。
自由研究のまとめ方のヒント
板の絵をかいて、色がかわった点に「何秒で色がかわったか」を書きこむと、熱の広がり方がよくわかります。あたためる場所を変えたり、切れこみを入れたりして、順番がどう変わるかを予想してからたしかめると、よい研究になります。金属の種類(銅・アルミニウム・鉄・ステンレス)を変えて、同じ点の色がかわる時間をくらべ、棒グラフにするのもおすすめです。
よくある質問
上のほうから先にあたたまるのでは?
水や空気は、あたためられたところが上にのぼるので、上のほうから先にあたたまります。金属は、つぶが動かずにゆれだけを伝えるので、上・下・横に関係なく、あたためたところから近い順にあたたまります。板をななめに持っても、順番は変わりません。
切れこみがあると、どうしてあたたまるのがおそくなるの?
切れこみのところは金属がない(空気がある)ので、熱がとびこえられません。熱は金属の中を通って切れこみのはしをまわりこむので、通り道が長くなります。「切れこみのある板」で、すぐとなりに見える点の色がなかなかかわらないことをたしかめてみましょう。
アルミホイルでも実験できますか?
アルミホイルはとてもうすい(約0.01mm)ので、伝わるとちゅうで空気に熱がにげてしまい、あたためたところのすぐ近くしか熱くなりません。1mmくらいの厚さの板を使うと、熱の広がり方がよく見えます。
手でさわると、鉄はアルミより冷たく感じるのはなぜ?
同じ温度でも、熱をよく伝えるものほど、手の熱をすばやくうばうので冷たく感じます。空気や水のあたたまり方とのちがいは、空気と水の温度と体積シミュレーターや、冷凍庫で氷ができる時間シミュレーターでも見られます。
この実験に使えるもの
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