浮沈子のしょうゆ入れ、水はどれくらい入れる?
いちばんわかりやすい目安は、コップの水に浮かべたとき、しっぽの先が水面から少し(1〜3mm)出るくらいです。作り方の紹介でも「2〜3mm出るくらい」という目安があります。このシミュレーターの計算では、ペットボトルを水でいっぱいにして、ふつうの強さでにぎる場合、魚の形のしょうゆ入れ(約3ml入るもの)にM5のナットをつけると、「にぎると沈み、はなすと浮く」のは、しっぽが約0.4〜3.8mm出るあいだでした。
水の量(ml)で言うと、このとき約1.85〜1.99mlです。しょうゆ入れの6〜7わりくらいが水、残りが空気になります。大きさやおもりごとの目安は次のとおりです(ボトルは水でいっぱい、ふつうの強さでにぎる場合)。
| しょうゆ入れ | ナットM4 | ナットM5 | ナットM6 |
|---|---|---|---|
| 小さめ(約2.5ml) | 約1.74〜1.83ml | 約1.34〜1.48ml | 約0.14〜0.41ml |
| ふつう(約3ml) | 約2.25〜2.34ml | 約1.85〜1.99ml | 約0.65〜0.92ml |
| 大きめ(約4ml) | 約3.27〜3.35ml | 約2.87〜3.00ml | 約1.66〜1.94ml |
ちょうどよい水の量のはばは0.1〜0.3mlくらいしかなく、スポイトのしずくで数てきぶんです。おもりが重いほど中の空気を多くする(水を少なくする)必要があります。しょうゆ入れ本体の重さも商品によってちがうので、表の数字は予想に使い、実際はコップでしっぽの出かたを見ながら合わせてください。
浮沈子が沈まない・上がってこないときは?
にぎっても沈まないとき
- しょうゆ入れの水が少ない(空気が多い):いちばん多い原因です。コップでしっぽが大きく出ていたら、水を少しふやします。
- ペットボトルの上に空気が残っている:ボトルの空気がクッションになって、にぎっても中の圧力が上がりにくくなります。水は口のところまでいっぱいに入れます。シミュレーターの「ペットボトルの水」を「半分」にすると、このようすを確かめられます。
- ボトルがかたい:炭酸飲料用の丸くてかたいボトルはにぎりにくいので、お茶や水の、やわらかくて平たいボトルが向いています。
はなしても上がってこないとき
- しょうゆ入れの水が多すぎる:コップでしっぽが出ない(沈む)なら、水を少しへらします。
- 底では水におされている:深いところほど、上にある水の重さで空気がおされて、少しちぢみます。水面ではぎりぎり浮くくらいに合わせると、底まで沈んだあとは浮く力がたりず、上がってこなくなります。しっぽが1mmくらいは出るように合わせると安心です。
どうしてにぎると沈むの?
しょうゆ入れの中には、空気と水が入っています。水の中のものは、まわりの水から上向きにおし上げられています(浮力)。しょうゆ入れの中の空気は、この浮き輪の役目をしています。
ペットボトルをにぎると、その力は水を通して、ボトルの中のすみずみまで伝わります。しょうゆ入れの中の空気もおされて小さくちぢみ、そのぶん水が入りこみます。浮き輪が小さくなるので浮く力がへり、しょうゆ入れは沈みます。手をはなすと空気が元の大きさにもどり、また浮き上がります。
おうちの方向けに言うと、はたらいているのは3つの決まりです。容器に閉じこめた水の一部に加えた圧力は、水全体に同じ大きさで伝わります(パスカルの原理)。温度が同じなら、空気の体積は圧力に反比例します(ボイルの法則)。そして物体は、押しのけた水の重さと同じ大きさの浮力を受けます(アルキメデスの原理)。しょうゆ入れ・ナット・中の空気を合わせた体積が押しのける水の重さより、しょうゆ入れとナットの重さが大きくなった瞬間に沈みはじめます。小学4年生の「とじこめた空気と水」で学ぶ、空気はおしちぢめられるが水はおしちぢめられない、という性質を使ったおもちゃです。
このシミュレーターの計算では、手でにぎるとボトルの中の圧力は最大で約30kPa(大気圧の約3わり)上がり、しょうゆ入れの中の空気は最大で約2わりちぢみます。空気がちぢむ量は小さいので、ちょうどよい水の量のはばもせまくなります。
おうちでの作り方と実験のやり方
用意するもの
- 500mlのペットボトル(お茶や水の、やわらかいもの)とキャップ
- 魚の形のしょうゆ入れ(お弁当用。100円ショップなどで売っています)
- ナット(M5くらい。ホームセンターで売っています)
- コップ(しょうゆ入れの浮きかたを見るため)
作り方
- しょうゆ入れの赤いキャップを外し、中をよく洗う。
- しょうゆ入れの口にナットをねじこんで、おもりにする。
- コップの水の中でしょうゆ入れをつぶし、指をゆるめて水を吸わせる。
- コップに浮かべて、しっぽが2〜3mm出るくらいになるまで、水の量を少しずつ合わせる。
- ペットボトルに水を口までいっぱいに入れ、しょうゆ入れを入れてキャップをしっかりしめる。
- ボトルをにぎったりゆるめたりして、浮き沈みを観察する。
ナットやしょうゆ入れのキャップは小さく、小さな子どもが口に入れると危険です。作るときも、しまうときも、おうちの人がそばで見てください。しょうゆ入れを新しく買って使う場合、中身のしょうゆは料理に使ってから、よく洗って使います。
自由研究のまとめ方のヒント
変える条件を1つに決めて、表にまとめるとわかりやすくなります。たとえば「しょうゆ入れの水の量」を少しずつ変えて、「コップでのしっぽの出かた」「にぎったとき」「はなしたとき」を記録すると、ちょうどよいはんいが見つかります。「ペットボトルの水の量」や「水の温度」を変えるのもおすすめです。
観察のポイントは、にぎったときにしょうゆ入れの中の水面が上がるところです。中の空気がちぢむようすが目で見られます。高学年なら、にぎる力をうまく調節して、しょうゆ入れを水の真ん中で止めてみましょう。止めるのがとてもむずかしい理由(少し沈むと水におされて空気がちぢみ、ますます沈む)を考えると、深さと圧力の関係まで説明できます。
よくある質問
ナットがないときは、どうすればいい?
ゼムクリップを口の部分にかけたり、針金をまいたりしても作れます。しょうゆ入れはプラスチックで水より軽いので、水だけだと浮く力が強く、合わせるのがとてもむずかしくなります。少し重さを足すと、水の量を合わせやすくなります。
水の温度で結果は変わりますか?
変わります。空気はあたためるとふくらむので、しょうゆ入れの空気が同じでも、あたたかい水では浮きやすく、つめたい水では沈みやすくなります。10℃ちがうと、空気の体積は約3〜4%変わります。この計算は、水と空気の温度が同じで変わらないものとしています。
卵の塩水の実験とは、何がちがうの?
どちらも「まわりの水より重いか軽いか」で浮き沈みが決まります。卵が浮く塩水では、まわりの水(塩水)を重くして卵を浮かせます。浮沈子では、中の空気をちぢめて、しょうゆ入れのほうを重くして沈めます。
計算と実験の結果がちがうのはなぜ?
しょうゆ入れやナットの重さ、にぎる力、ボトルのかたさ、水の温度などで変わります。この計算は、決まりにそって見積もった目安です。