ダンゴムシは右・左と交互に曲がる?
ダンゴムシは、かべにぶつかって右に曲がると、次の曲がり角では左に、その次は右に…と、交互に曲がりやすい性質があります。これを「交替性転向反応(こうたいせいてんこうはんのう)」といいます。ただし、いつも交互に曲がるわけではありません。高校生などの研究報告では、交互に曲がった割合は約7〜9割で、曲がり角と曲がり角のあいだが長くなる(約35cmより長い)と、右も左も半々になると報告されています。
このシミュレーターで、1回あたり交互に曲がる割合を「ふつう(約75%)」とし、T字の曲がり角が3つの迷路(さいしょの角で右に曲がらせる「L-T-T-T字型迷路」)で計算すると、ゴールにたどりつく割合は次のくらいです。
| 曲がり角のあいだ | 1回で交互に曲がる | ゴール(T字3こ) | 10ぴき中 |
|---|---|---|---|
| 5〜20cm | 約75% | 約42% | 約4ひき |
| 25cm | 約67% | 約30% | 約3びき |
| 30cm | 約59% | 約21% | 約2ひき |
| 36cm以上 | 50%(半々) | 約13% | 約1ぴき |
でたらめに曲がる虫なら、T字3こでゴールするのは8ぴきに1ぴき(約13%)です。それより多くゴールすれば、交互に曲がる性質が見られたことになります。数はばらつくので、10ぴき以上で何回か試してみましょう。
どうして交互に曲がるの?
ダンゴムシは、かべにそって歩き、かべにぶつかると曲がります。右に曲がるとき、体の左がわの足のほうがたくさん動くので、その「くせ」が次の曲がり角まで残り、次は反対の左に曲がりやすくなる、と考えられています。てきから逃げるときに、同じ場所をぐるぐる回らず、まっすぐ遠くへ逃げるのに役立つといわれています。
おうちの方向けに言うと、交替性転向の説明には、左右の脚の動きの偏りを補正するというBALM仮説(bilaterally asymmetrical leg movements)や、壁に沿って歩く走触性による説明があります。強制転向から選択点までの距離が長くなると効果は弱まり、オカダンゴムシでは約32〜36cmが限界という報告があります(草野・新妻 2015)。
おうちでの実験のやり方
- 厚紙や牛乳パックで、はばが1〜2cmの通路の迷路を作ります(さいしょの角は1つの向きにしか曲がれないようにします)。はさみやカッターは、おとなが使いましょう。
- ダンゴムシを公園や庭の落ち葉の下などで、何びきか見つけて、土や落ち葉といっしょに入れ物で連れて帰ります。
- スタートにダンゴムシを置き、どこに出たかを記録します。丸まったら、動きだすまでそっと待ちます。
- 同じダンゴムシばかり続けて使うとつかれるので、交代しながら試します。
- 実験が終わったら、見つけた場所に帰してあげましょう。
ダンゴムシは乾燥に弱いので、ときどききりふきで湿らせてください。さわったあとは手を洗いましょう。強い光や大きな音のなかでは、うまく歩かないことがあります。
自由研究のまとめ方のヒント
「放した数」「ゴールした数」「はずれの場所」を表にして、このシミュレーターの予想や、でたらめに曲がった場合(T字3こなら約13%)とくらべてみましょう。曲がり角のあいだの長さを5cm・20cm・40cmと変えて、ゴールの割合が下がるかを調べると、しっかりした研究になります。ワラジムシとくらべるのもおすすめです。
よくある質問
交互に曲がらなかったのはおかしい?
おかしくありません。交互に曲がるのは「そうなりやすい」性質で、いつもではありません。何びきも、何回も試して、割合で考えることが大切です。
ダンゴムシが迷路の中で止まってしまう
おどろいて丸まったり、つかれていたりするのかもしれません。少し休ませるか、ほかのダンゴムシに交代しましょう。通路がせまくて体がこすれると、うまく歩かないこともあります。
ワラジムシやほかの虫でも同じ?
ワラジムシにも同じような性質があることが知られています。アリなど、ほかの虫でも試してみると、くらべる研究になります。
ダンゴムシは虫(こん虫)なの?
ダンゴムシは、こん虫ではなく、エビやカニのなかま(甲殻類)です。足は14本あります。