どの穴がいちばん遠くまで飛ぶ?
下の穴ほど、水はいきおいよく飛び出します。でも、いちばん遠くまで飛ぶのが下の穴とはかぎりません。ボトルを台にのせずに、ボトルの底と同じ高さに水が落ちるときは、真ん中あたりの穴がいちばん遠くまで飛びます。下の穴はいきおいが強くても、地面までの高さが低くて、すぐに落ちてしまうからです。
2Lのペットボトル(水の高さ26cm)に、底から5cm・12cm・19cmの穴(直径3mm)をあけた場合の、このシミュレーターの計算の目安です。
| 穴 | 飛び出す速さ | 台なし | 台10cm | 台20cm |
|---|---|---|---|---|
| 上(底から19cm) | 約1.1m/秒 | 約22cm | 約27cm | 約31cm |
| 真ん中(12cm) | 約1.6m/秒 | 約25cm | 約33cm | 約40cm |
| 下(5cm) | 約1.9m/秒 | 約19cm | 約34cm | 約44cm |
台を高くすると、水が落ちるまでの時間が長くなるので、いきおいの強い下の穴がいちばん遠くまで飛ぶようになります。きょりはボトルの横から、水が落ちたところまでの長さです。水が出ると水面が下がるので、飛ぶきょりはだんだん短くなります。
どうして下の穴ほどいきおいが強いの?
水には重さがあるので、深いところほど、上にある水におされる力(水圧)が大きくなります。下の穴は上にたくさんの水があるので、強くおし出されます。
おうちの方向けに言うと、穴から出る水の速さは、水面から穴までの深さを h とすると約 √(2gh)(トリチェリの定理)で、深さ20cmなら約2m/秒です。水平に飛び出した水は放物線をえがいて落ちるので、落ちる面から穴までの高さを y とすると、飛ぶきょりは約 2√(h×y) になります。h と y の和が一定(台なしのとき、水面の高さ)なら、h=y、つまり水面の高さの半分の穴がいちばん遠くまで飛びます。
ふたをしめると、どうなる?
穴が1つだけのときにふたをしめると、水はすぐに止まります。水が出ると中の空気がうすくなり(気圧が下がり)、外の空気が穴をおし返すからです。小さな穴では、水の表面張力で空気も入れないので、ぴたっと止まります。
穴が2つ以上あるときは、いちばん上の穴から空気がブクブクと入り、下の穴からは水が出続けます。このとき、下の穴から出る水のいきおいは、水面の高さではなく、空気が入る穴と水が出る穴の高さの差で決まるので、水が減っても同じきょりを飛び続けます(マリオットのびん)。
おうちでの実験のやり方
- ペットボトル(2Lがおすすめ)の側面の同じ線の上に、底から5cm・12cm・19cmのところに印をつけます。
- おとなが、キリや画びょうで穴をあけます(子どもは刃物やとがったものを使わない)。
- 穴をビニールテープでふさぎ、水をいっぱいに入れます。
- 大きなバットや外の地面の上で、テープをはがし、水の飛び方を見ます。落ちたところにペンや石で印をつけ、ボトルの横からのきょりをはかります。
- 次に、ふたをしめたり、ボトルを台にのせたりして、くらべます。
水が大量に出るので、ふろ場や外で行いましょう。ペットボトルの切り口や穴のまわりはとがっていることがあるので、さわるときは気をつけてください。
自由研究のまとめ方のヒント
「穴の高さ」「飛んだきょり」を表にして、台の高さを変えたときの結果とならべると、どの穴が遠くまで飛ぶかが変わるようすがよくわかります。スマホで横から動画をとり、水のえがく線(放物線)をなぞるのもおすすめです。水面がいくつのときに何cm飛んだかを記録して、水面が下がるとどう変わるかを調べるのも、よい研究になります。
よくある質問
計算より飛ばないのはなぜ?
穴のふちがでこぼこしていたり、穴が小さすぎたりすると、水がこすれてスピードが落ちます。また、水は空中でつぶに分かれて空気の抵抗を受けます。このシミュレーターでは、飛び出す速さを計算の95%としていますが、実際にはもっと短くなることもあります。
ふたをして穴が1つだけなのに、水がゴボゴボ出るのはなぜ?
穴が大きい(5mm以上など)と、表面張力で空気をさえぎりきれず、同じ穴から空気が入ったり水が出たりをくり返します。このシミュレーターでは、直径1mmと3mmの穴だけを扱っています。
水の深さと水圧の関係は?
水の深さが10cm深くなるごとに、水圧は約1kPa(1m²あたり約100kgの重さでおされるくらい)ずつ大きくなります。深さが2倍になっても、飛び出す速さは2倍ではなく、約1.4倍になります。水の重さとおす力のちがいは、ペットボトルをにぎって遊ぶ浮沈子シミュレーターでも感じられます。