水を入れると、コインはなぜ消えて見える?
透明なコップの下にコインをおき、横から見ながらコップに水を入れると、コインが見えなくなります。コインからくる光が、水の中で曲がったり、コップのかべで全部はね返ったりして、横にいる人の目にとどかなくなるからです。コインが見えるかどうかは、見る目の高さで決まります。
| コップに入れたもの | 横から見て、コインが見える目の高さ |
|---|
目の高さは、コップを見下ろすななめ上の角度です(0°が真横、90°が真上)。コップの上にお皿でふたをして、真上から見えないようにすると、手品のように見えます。サラダ油のように光を大きく曲げる液では、横からはどの高さでも見えません。
どうして光が曲がるの?
光は、空気の中から水の中に入るときや、水から空気に出るときに、さかい目で進む向きが変わります(光の屈折)。水から空気に出るときは、さかい目にななめに当たるほど大きく曲がり、ある角度(水では約49°)よりななめになると、外に出られずに全部はね返ります(全反射)。コップの下のコインからきた光は、水の中で上に向かって進み、横のかべに当たるとこの全反射が起きるので、横から見ている人の目には入りません。かわりに、かべがかがみのように光って見えます。
カップの底においたコインは、水を入れると、うき上がって見えます。コインからきた光が、水面で曲がってから目に入るので、目は「まっすぐきた」と思いこみ、実際より浅いところにあるように見えるからです。水の深さは、真上から見ると約4分の3に見えます(見かけの深さ)。
おうちの方向けに言うと、光の進む向きはスネルの法則 n₁sinθ₁=n₂sinθ₂(水の屈折率は約1.33)で決まり、水から空気への臨界角は sinθc=1/1.33 より約48.6°です。コップの底から入った光は、水中で鉛直から48.6°以内の向きにしか進めないので、側面から外に出られるのは、側面の法線に対して小さい角度で当たる光だけです。その結果、側面から出る光は斜め上(水平から約62°以上)にしか向かわず、それより低い位置からはコインが見えなくなります。目がコップに近いと、コップの場所によって見こむ角度が少しずつちがうので、このシミュレーター(40cmはなれて見る)では約57°より上で見えはじめます。中学1年生の「光の屈折」で学ぶ内容です。
おうちでの実験のやり方
消えるコイン
- テーブルに10円玉をおき、その上に、底の平らな透明なコップ(プラスチック)をのせる。
- 横から見て、コインが見えることをたしかめる。
- コップに水を口近くまで入れ、上にお皿をのせる。横からもう一度見る。
- 目の高さを少しずつ上げていき、コインが見えはじめる高さをさがす。
うかぶコイン
- 中が見えないマグカップの底のまん中に、コインをおく。
- 目の高さを下げていき、カップのふちでコインがちょうどかくれる位置で止まる。
- 頭を動かさないようにして、もう1人がゆっくり水を入れる。
- コインが見えてきたら、そのときの水の深さをはかる。
ガラスのコップは割れることがあるので、プラスチックのコップを使うと安心です。水をこぼしてもよい場所で行い、コインはあとでよくふいてかわかしましょう。小さな子がコインを口に入れないように注意してください。
自由研究のまとめ方のヒント
コインが見えはじめる目の高さ(角度)を、分度器や、コップからの目のきょりと高さではかって記録します。水・こい食塩水・サラダ油など液を変えたり、コップの形を変えたりして、角度がどう変わるかをくらべてみましょう。光の通り道を、横から見た図にかいて説明すると、わかりやすいまとめになります。
よくある質問
真上から見ても見えなくなりますか?
ふたをしないで真上から見ると、コインは見えます。光が水面からまっすぐ上に出られるからです。だから、この手品では、上にお皿をのせてかくします。
コップの外にしずくがついていると見えるのはなぜ?
コップの外がぬれていると、かべの外がわが空気ではなく水になり、全反射が起きにくくなります。そのため、光が外に出て、コインが見えることがあります。コップの外をよくふいてから行いましょう。
ほかに、光が曲がる実験はありますか?
雨つぶの中で光が曲がってはね返ると、虹ができます。虹の見え方シミュレーターで、虹が見える時刻を調べられます。光がまっすぐ進む性質はピンホールカメラシミュレーター、はね返る性質は合わせ鏡シミュレーターで見られます。
この実験に使えるもの
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